世の中には変わった自動販売機が数多くある。
一時期一世を風靡した
「おでん缶」「ラーメン缶」などの食品系自販機や、
購入者に対して親しげに話しかけてくる
ダイドーの自販機。
サービスエリアにある
冷食を調理してくれる自販機なんか、ワクワクして大好きだ。
それらに共通しているのは、
「買って、その場ですぐ使える!」というコンビニエンスである。
しかし…西の国広島には、
そんな自販機の常識を打ち破る、謎の自販機が存在していたのだった…
その名は
「だし道楽」。
JR呉駅を出て、阪急ホテルを横切った先のコインパーキングの自販機コーナーに、
さり気なく存在する。
周辺の自販機は、至って普通のドリンクを販売する自販機である。
ところが1台だけなんかおかしい。
「だし(うどんだし)」しか入っていないのだ。
(しかも麺は併売されていない)何故自販機で、なぜこの場所で「だし」なのか。
この周辺には基本的に民家はない。
駅前の普通の商業地であり、
ビジネスホテルがいくつかあるような通りだ。
ビジネスホテルに宿泊するようなサラリーマンが、
「あっ、今日麺しか買ってないや!だし買お~っと」ってなるだろうか?
ここがうどん県香川、とかならまだわかる。
だがここは広島だ。ソバの入った広島焼き、広島つけ麺、細うどんに呉冷麺と
それなりに麺好きな気質の県民ではあるが、
誓っていつでもどこでも「マイだし」を携帯するほどの麺中毒ではない。
しかもよく見ると
「お水で割るだけ 簡単 便利」と書いてある。
…このだし、
濃縮タイプであったのだ。
ただでさえ500mlくらい入ってるっぽいのに
8倍濃縮である。お徳用である。

もうどう考えても
「旅先のサラリーマンがうどん1杯を食すため」
に設置されている自販機ではない。
値段は
「あごと昆布入り」が1本650円、
「昆布入り」が450円。
高い!高いぞだし道楽!まさに道楽ってか!?
その日は値段の高さにヒヨって購入せず、
ただ大きな謎を抱えたまま帰途についたのであった。
いったい、こんな変な自販機に需要はあるのだろうかと…。
ところが、家族に話を聞いたところ、事態は意外な展開に。
「こんな変な自販機があってさ~」と話すと、
「ああ、あれ?いっぱいあるよ。有名なんだよ」とのこと。
なんと普通に
わが妹の自宅の冷蔵庫にも、このだしが入っているというのだ。
まさか、そこまで県民に浸透していようとは…。調べてみるとこの自販機、広島県江田島市にある
有限会社
二反田醤油さんが仕掛けたものらしい。
直営するうどん屋「だし道楽」の自慢のダシを、
24時間買えるように…というコンセプトで展開されているもののようだ。
(外部リンク)
だし道楽/二反田醤油のうどん屋/広島県呉市/大和のふるさと呉この自販機、現在広島県内に10台、岡山県に2台、福岡県に2台、
長崎県に1台、大阪府に4台、愛知県に2台が設置されているようで
他県にまで広がりを見せているというから驚き。
(外部リンク)
和風だしの自動販売機(設置場所について)/だし道楽「使っていくと中からトビウオが出てくるからビックリするのよねぇ~」と母。
自販機のペットボトルの中をよく見ると、確かに
怪しい影が。

「アゴ入り」というのは、エキスが入っているという意味ではなく、
本当に
1本に1匹のアゴ(トビウオ)が入っているからなのだった!
それならこの値段も納得かも。
(外部リンク)
だし道楽とは?/だし道楽妹はこのダシを、うどん用だけでなく
便利な万能調味料として、
煮物などの味付けに使っているようだ。
毎日仕事で帰りが遅くなる妹。
間違いなく美味しくて便利に使える調味料がいつでも買えるのなら、
自販機で売る意味もあるのかもしれない。
ふるさとながら、いろいろと驚かされることの多い広島の謎グルメ。
また何か見つけたときにはお伝えしたいと思う。

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